プチ・リノベーションのすゝめ
- Hiroo Mizushiro

- 10月31日
- 読了時間: 4分
更新日:4 日前
ニュースでも良く取り上げられているが、近年は人件費、資材、輸送費等すべてのコストが上昇しており、仮に住宅を新築する場合、建設費だけをとっても10年前の1.5~2倍近くにコストが上昇している。改修工事の場合でも、同じようにコストアップは避けられないが、新築のケースと大きく違うのは、すべて壊して新しくするというようなスクラップ&ビルド型の考え方ではなく、どこを残して、どこを改修するか、という取捨選択ができる事である。残すところは残し、変える部分は思い切って変えることで、コストバランスをとりながら、新築の様に生まれ変わらせることも可能になる。
利用者側の視点にたてば、良い中古物件を見分ける選択眼と、更に何をどう改修すれば良いか、という計画的な視点が必要になってくる。利用できる既存部分はうまく生かすなどすることで、全体としてのコストバランスを図る事が可能になるが、ある程度専門的な知識が必要になるので、自信のない場合は、物件の視察時に設計者や設備、構造の専門家等と同行すると良いだろう。
日本人は元来、物を大事にする国民性で、限られた資源の中で物を大事に使う「もったいない」精神で工夫をしながら生活してきた。そこから生まれてきた文化や芸術も多い。今の状況を前向きにとらえるとするならば、今こそ知恵を使い、物を大事にし、工夫をすることで、今あるものに新しい価値を付加することのできる機会だと考えられる。むしろ経済バブルの状況の方が異様であり、経済と引き換えに、目には見えない多くのものを日本は失ったのではないか、という気さえもする。
話しを元に戻すと、最近では住宅設備の高機能化が進み、例えば照明であれば、調光、調色が可能なLEDも増えてきており、作業時は昼光色で明るくし、夜には電球色にして、少し暗めにタイマー設定をする、という事も可能だ。トイレに関してはもう、便器に触ることなく、勝手にカバーが空き、用が済むと自動で洗浄し、カバーが閉まるというのは当たり前になった。カバーの閉め忘れでケンカになる、という事はもうない。昔のものより節水型になっている。これにセンサー付き照明と換気扇を連動させ、また手洗い水栓もセンサーにすれば、自分以外にはどこにも触らずに、用が済ませられるようになる。これは感染対策としても大きい効果がある。
古い住宅設備を更新することもリノベーションの一つである。個々の住宅設備は、大きく進化している。あとはそれをどのように使うかだ。工夫することで、より高い効果をもたらすことが出来る。事例1から、徐々に改修のボリュームが大きくなってゆく順で紹介する。
プチ・リノベーション事例1 マンションの改修計画
リクエスト・既存の蛍光灯シーリングライトをダウンライトにしたい。
・木のテーブルを出来るだけ安く欲しい。
元々あった既存シーリングライト取り外し(引掛けシーリングは残置)、調光、調色対応LEDのミニマムなデザインのダウンライトを天井に新たに設置することで、部屋全体の雰囲気を大きく変える。無垢のウォルナットを天板に使用したテーブルを制作し、設置。ダウンライトの位置と、テーブルの位置が合うように調整。このケースでは照明変更とテーブルの設置だけだが、照明は大きく部屋の雰囲気を変えることが出来る。




照明のLED化、住宅の高断熱化等の実施に対して、自治体によっては補助金等が使える場合もあるので、実施時期や条件が合えば、活用すると良いだろう。それを行う事で、将来的には電気代なども減らす事につながる。
事例2に続く


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